目次

1.今月のことば

2.公文式ってなに 〜「見える学力」と「見えない学力」を育てる〜

3.孫育て進行形 〜一冊の本を題材に話し合いました〜

4.教室アラカルト


今月のことば

「思い」の力

「思う」ことがすべてのはじまり。
強く強く思わないと、夢をかなえることはできないんだよ。

夢をかなえるためには「やり方」よりも、「強く強く思う」ことのほうがだいじ!

※稲盛和夫監修「子どもの心の育て方」より

 

公文式ってなに

「見える学力」と「見えない学力」を育てる

私たちが一般に学力と呼んでいるものに3つの力があります。「見える学力」、「見えない学力」、そして「得点力」です。

「見える学力」とは学校での点数や足し算ができる、引き算が上手くいくなど、目に見える力です。これらは習熟する事によってできる基礎学力と呼ばれ繰り返し練習する事で身につきます。その結果、数感覚、文感覚、類推力、ひらめきなどが育ちます。

一方「見えない学力」とは目には見えませんが学力を支える力です。これはコツコツと見える学力を手に入れる間に身につく力です。根気力、忍耐力、集中力、持続力、作業力,挑戦力、試行錯誤力、処理能力など学習そのものを支える力です。その他に毎日の生活習慣や読書などによっても作られる力です。

公文式教育法は一見見える学力のみを育てているように思われますが毎日継続することによって見えない学力を一つひとつ積み上げているのです。これは何も公文式だけでなくピアノやスポーツからも身につく力です。

この二つの力を先ず手に入れていかないと入試などで要求される「得点力」に結びついていかないのです。「得点力」とは点を取るためのテクニックです。塾とは得点力をつける場と考えてもいいと思います。塾へ行ってテクニックを磨いても基礎がしっかりしていなければ目に見えた成果は見られません。
逆に塾へ行くのが少々遅く、直ぐによい点が取れない子でも、基礎学力(見える力)をシッカリ身につけている子はテクニックを学んでいくうちにビックリするくらいグングン伸びて、力を発揮していきます。4年から進学塾へ行った子よりも、公文で学習の先取りをし、「見えない学力」をしっかり鍛えた子が 小5、小6年生になって塾へ行き、レベルの高い私立中学へ進学することが多いという例からもわかります。

子育ての時、大切なことは、片目を今、そしてもう片目を5年先を見る事だといわれています。目先の小さいことに一喜一憂せず、5年先に必要となるであろう これらの力を今、コツコツ積み上げていく、ことこそが大切なのです。

先日、ノーベル賞を取られた本庶先生のニュースをTVで見ました。
先生は言われました。ノーベル賞というものに結びつくにはその根底に5つの力・・・①挑戦力 ②集中力 ③持続力 ④勇気 ⑤立ち上がる力が必要であると・・・。

私は思いました、この力は公文で培われると・・・。
子どもがスランプの時は表面的な進度だけに目をむけないで、根を張っている「見えない力」を育てている時なのだと見守ることが大切です。そしてこの力こそ、我子が自立するために、いや自立したあとも彼らを支える力なのです。

 

孫育て進行形

一冊の本を題材に話し合いました

最近の私は“2020年の大学入試”がどう変わる?それに対して親や周囲の者はどう対処していけばいいのか?・・・という課題に我が子の時より熱中して様々な本をひも解いています。

そして結局、手に入れた事は ①盤石な基礎学力の上に ②様々な知識を習得し、その上に ③自分としての考えを確保すこと この3段階が求められと学びました。

①は公文です ②は読書です そして ③は個々の子ども達がいつも “Why”を持ち自分の考えを拡大していく事です。それには正答なんて有りません、どんな考えでもいいのです。但し 人を頷かせる論理性が有る事。これが大切なのです。

そこで、私は1冊の本を手にして孫と読書会をし始めました。

小2の孫とは“二番目の悪者”という60ページ足らずの絵本を、
中1の孫には“クリスマスキャロル”です。

小2の孫との学びとして、皆が“いいね”“いいね”と言っているものの、誰一人として情報の出所を確かめて居なかった人々の結末を読み、情報を安易に信じる怖さについて話し合いました。

中1の孫には お金に使われる人にならないように、お金についても自分がオーナーシップを持つようにしたいこと。又、耳に痛いアドバイスをしてくれる人を大切に!というこの本の狙いに迫りました。

これは東大の名物ゼミで行われている “人の気持ちのわかるリーダーになるための教室”という本の中の課題本を実践してみたいのです。
その子、その子の年代でいろんな受け取り方を孫との対話から感じ、視野の広い子にしていくことがとても私達の時代以上に大切であることを私は学びました。
本を多読するのも面白いですが、あなたも1冊の本を週末などにお子様と深読みしてみませんか?

1冊の本を真ん中に子どもの考えに触れ、一方大人の考えも聞かせるなどして、とても楽しい一時でした。

 

教室アラカルト

教室を地域の教育相談所として存在する事を目指しています。

「勉強は人生を変える」ーどうして公文や学校の勉強せなあかんの?そんな子どもへの返答として・・・
公文で何学年か先をしていたり、公文生活に慣れてくると、疲れて逃げたくなる子も時にはいます。そういう様子が見えた時、私は “勉強は人生を変えるよ、これが先生が今まで感じてきた事だよ”と話してみました。すると将来サッカー選手になりたいと言っていた子が(中1)“ 僕の人生、サッカーでは変えられへんな~、サッカーで推薦の高校へ行こうと思っていたけどやっぱり勉強するわ。明日から中間テストやしな~”と言ってその場を去りました。

子どもに勉強することの意味を聞かれた時、将来の為とかあなたの為、とか言われるより「勉強は人生をかえる!」ときっぱり言い切ると、何かわからないけどいずれ頑張った成果が出るのだと子ども心に思い、それなら頑張ろうと素直になれる響きがあるようです。

芸能人の北野武さんの母も、子ども達に“学力は人生を変える”と言い続けたそうです。何時の日か、子どもは必ず口にします。「何で勉強せなあかんの・・・?」と。そんな日の為に今から子へいろいろ言うより、一言「勉強は人生を変える」と言う言葉を体にほうりこんでおくといいのでは・・・と思っている今頃です。

 

「小学生時代に身につけたい力はなんですか?」ーママ友と話していてそんな話題になりました。先生どう思いますか?
まずは子育ては10才から12才で終わるということを頭においておくと 10才までに「学修習慣、読書習慣」を作っておくことと、好き嫌いの回路の出来る8才までにいろんな物を見て置く等の体験をさせること、そしてその課程に於いて根拠無き自信をつけることでしょうか。

又失敗しても立ち上がる力など、よく言われる「見えない力」を育てる事によって心育てをしていくことでしょうか。こう書いている内にやはり公文を中心に育てればそれら全て身につくと思うのは私の一人よがりでしょうか・・・。

 

公文は「教えない」と言われていますがなぜですか?
「教えられると」力はつきません。教えることが必要な所、教えないと出来ない子には徹底的に教えます。100の事を身につけるのに教えられると定着率は5%と言われています。

公文は教えないわけではありませんが、「教える」ではなく考えさせています。「どうしてこうなるか考えてみて!」です。それに気づくのに暫く時間がいりますが私は辛抱強く待ちます。そして子どもが何かに気づいたらヒントをあげ、大いに褒めます。

最近盛んに言われているアクティブラーニング、これも日本的な講義形式への疑問から生まれたものです。やはり、子どもの先に有るものは自習なのです。