目次

1.今月のことば

2.公文式ってなに 〜「基礎力なくして創造力・応用力なし」〜

3.子育て回想記

4.教室アラカルト


今月のことば

先に戦地に処りて敵を待つ者は佚し、後れて戦地に処りて戦いに趨くものは労す。

君がたいせつな試験や負けられない試合などに臨むとき、孫子せんせいのことばを思い出して欲しい。

「佚し(いつし)」とは楽だということ。「労す(ろうす)」は苦労が多いということ。つまり、なんでもできるだけ早めに取り掛かった方が後で楽になり、先送りすれば苦労が多くなってしまうという意味だよ。孫子せんせいは、戦うときは、早く戦地に行って敵を待つ方がよいといっているんだ。

たとえば、たいせつな試験だったら、早めに勉強をはじめることで苦手なポイントを何度も復習することができる。負けられない試合があるとき、早めに準備をはじめれば、相手の弱点を研究して作戦を立てて練習することだってできる。

そういったことが、成功するためのチャンスをぐっと広げてくれるんだ。「だいじなときこそ、早めの行動!」を口ぐせにしてしまおう。

※稲盛和夫監修「子どもの心の育て方」より

 

公文式ってなに

「基礎力なくして創造力・応用力なし」

練習につぐ練習(反復練習)によって基本的な力を身につけた、そのあとについてくるのが創造力・応用力である。基礎力なくして創造力・応用力なし。

公文教育研究会 創業者 公文公

春休み真っ最中です。基本ばかり叩く公文に、少し、飽きてきた子が塾の春の特訓教室などへ行っている子が何人かいました。私は気分転換にそれもよいかなーと相談を受けた子にはそう答えていますが、本当はそんなことに時間を使わないで、この休みこそ公文漬けにして頑張る方がいいと思っていました。

そして、その後、その塾が気に入ったから、別に受験という目的がないのに、子どもが行きたいというので・・・と言うご家族がぽつりと、でてきたりします。

先日、塾の先生ばかりを対象に催されたある私立中学の説明会に行ってきました。説明会の後の現場の先生との質疑応答の中で、10%程の生徒が授業についていけないとのことを耳にしました。先生、曰く「この子たち、小学校で何してたんだと疑います。授業を聞いて居れないのですよ!」、「どうしてそのようになったのでしょう?」個人的に質問してみました。「少なくともその学校に合格したのだから、瞬間最大風速の力は有ったでしょうに・・・」

先生曰く”うーん、いわゆる基礎学力・不足でしょうね、テクニックをのみ、磨いてきた結果でしょう“私は頷きました、そして思いました、たとえばゴルフなら、基本の素振りを後回しにして、ゲームの方に入った人はゲームが面白くてそれにのめり込んでしまう。しかし、ゲームをすればするほど力がつくかというとそうでなく、後から基本をしっかりした人に追い抜かれていく。それに気づいて基本に戻ってもゲームの楽しさを知ってしまうとばからしくてあの地味な基本の繰り返しはできないという話を!

まさに公文もそうです。例えば、数学で1~2学年先を学習している小2の子が塾に行き、そして塾が楽しいと言いました。なので、公文をやめて塾へ行くとします。
待って!あなた、基本ができていない!!私はそう叫ぶでしょう。基礎学力が育っていないために力が落ちてくるのはわかりきっているからです。それが今直ぐでなく何年か先(多分中学進学後)にあらわれてくるのです。では、基礎学力って何なのでしょう。

過日、土木系の高校の先生にお話を聞く機会がありました。その先生(その先生も公文学習者です)は小学生の低学年の人たちにもわかりやすく基礎の大切さをお話されました。

  • 最低限の基礎(小6F教材位まで)がしっかりしていないと小さい建物しか建てられない。(F教材以下であれば建物どころではない)
  • さらに盤石な基礎(中3Ⅰ教材〜高1L教材)まで整備すれば、後は自分で大きな建物を建てることができる。

公文式学習法は、高校で数学、国語、英語が楽に解ける盤石な基礎学力の養成を目標に、学年を意識しないで系統だった教材を使い、自学自習で解きミスも必ず100点に、しかも反復練習で学力を定着させる学習法です。

塾では、繰返し練磨することが少ないので基礎力に根ざした応用力や創造力を育てることが難しく、ともすれば教えられることに依存し、受身の指示待ち人間を育ててしまう可能性があります。従って、塾は例えば入試のように目的が明確な時期に、多様な問題に慣れてテクニックを身につけるために使うと良い成果が出ると思います。

公文を道具として使うコツはここにあります。目の前の小さい事に目を奪われないよう、大きく視野を捉え、いつも子どもの5年程度先のことを考えてください。子どもは目先の楽しい事しかわかりません。子どもに振り回されないようしっかりと親が手綱を持ちましょう。

私は訴えます。中学入試は小5、小6の1~2年間、高校入試は中3の1年間で仕上げるよう、受験期までに、基礎学力を十分に養うことが最も大切です。

 

子育て回想記

入試を終えて挨拶に来られました。“浪人生活に入ります”と・・・

思い出しました、わが子の浪人時代!を。親も子も現役で大学受験、その結果思わしくなかったら“後一年やるわ、浪人すれば何とかなるわ”と簡単に思う事でしょう。いえいえそんなに甘くはないのです。

灘中の校長先生はこう言われていました。“英語、数学、国語の点が芳しくなかった時は浪人しても駄目、社、理の点が芳しくない時は浪人したら何とかなる”と。

そうなんです、基礎が脆弱だとどんなに浪人しても志望校に手が届かないと言われています。例えば現役の時、受験したA大学、しかし浪人してAに届かず,B,C大学になるのはざらです。ましてA以上の大学に入学するのはごく稀なのです。浪人時代はドーナツの周りを走っているかの如く下手すると穴に落ちるのです。

私はそんな予備知識が有ったので、長男の浪人時代を迎えた時は緊張しました。
母としてどんな立ち回りしたら彼が今春受験した学校よりもう一つレベルアップした学校に行けるのかと・・・

そして気がついたら本屋に立っていました。

  • 伸びる予備校生、伸びない予備校生
  • 浪人時代の一日のスケジュール
  • うまい予備校の使い方 などなど

沢山の本が時節柄並んでいました。そして邪魔にならない、しかも励みになる親の立ち位置を捜し続けました。一年の浪人生の成績の経過も本の通りでした。

予備校からの個人懇談の際に“僕の事だから出なくてもいいよ、僕の好きにさせて”と息子に言われても、“お金を出しているのは親だから”と言って、そこだけはしゃしゃり出て、本人には任せませんでした。幸い彼には公文でやり続けた基礎学力が有りました。本当に公文が良いものなのか、それを実証する責任も私にはありました。

予備校の先生に“先生、このまま彼が冬眠したらどこの大学に入れますか”というとんでもない質問もしました。パソコンの成績表のグラフを見て先生は“まあM大学でしょうね”と・・・
”とんでもない、そんな大学の為に東京まで行かせる経済力は有りません。彼は今T大学を意識しています。T大学へ行くにはどうしたらいいでしょう。”
先生曰く”先ずは今すぐその大学を見に行くことでしょうね・・・”と。
いわゆる、やる気スイッチを何かの方法で探せという事なのでしょう。直ぐに財布の中を見ました。東京へ行くお金が幸い有りました。そして息子を一人ですぐにT大学を見に行かせました。その日の行動や思いは20年以上経っても今でもふつふつと蘇ります。

そんな体験から冒頭のお母様には来年までの心得を話したものです。子どもの大変さは、当の子どもの10分の1も解らないでしょう。でも先を見てどうすれば我子の為になるか考えるのが親です。子どもは振りかえれば全て自分の力で今日まで来たと思うでしょう。いえいえその後ろに控える親の信念これが大きな力となるのです。一つ一つ出会う様々な事象を糧に、いつも今とその5年先を見つめて子どもの支えになろうではありませんか・・・

 

教室アラカルト

公文をやり続けた子が次々と大学合格報告に来てくれました

大学受験それは人生の方向性を決める岐路ともいう大きな曲がりかど。
そこに立ってついに自分の望む方向への栄冠を勝ちとったかってのエレガントの公文の子たちが明るい笑い顔と共に次々と報告に来てくれました。

京都大(理、工)、大阪大(医、人文)、大阪市大(医)、北海道大(法)、早稲田大(人文)、関西学院大(文)、大阪府大(作)、長崎大(工)そのどの子たちも10年以上あの苦しい公文の学習をして、そこで手にした非認知能力をバネにして今日の栄冠があったと話してくれました。

あるお母さんは“先生DNAではなかったよ!毎日毎日小さい時から公文してきたから基礎が有ったから今日があったのです“と感謝の言葉を伝えて下さいました。
そして又こうも言われましたK高校に入った時“その高校にふさわしい大学に行くんだよ!”と先生が言った事が親子ともに心に残っていますと・・・

それは中学入試、高校入試それぞれ到達して満足することなくそして又もし失敗しても泣くことなく次なる目標に向かって全力を出せと言う意味での私のエールだったように思います。又この合格者達は母と共に報告に来た子が多かったです。と言うのは公文学習している時から私とその母との距離は近かったのです。

中学受験組は、塾へ行かなくては・・・とうずうずする心を押さえて小5からの2年間に塾通いを絞りそのかわり小4末までに進度をぐんとアップさせたこと事。公立中学出身の子も中3の1年間の塾通いというそれで大丈夫?の気持ちをかかえながら入塾まで高校教材(L)を学習してくれた事、又進度アップしないやる気の出ない我子をどうしようとやめるという話を押さえて継続の道を探した親だったのです。

公文公会長は高校で成績が伸びる子を目指して公文教材を作りました。
しかし高校教材へいくまでは幼児、小学生にしてみれば遥か遠い!それでも今学校でのテストが点数として出なくてもいつか大学入試の時必ず出ると信じて学習した子達なのです。近年当教室では数英国共に最終教材到達者が次々と出ています。“やってよかった公文式”という子の感想を共に“やらせて良かった公文式”という親の苦労が結実したのが、今春の合格者です。

皆さん頑張って下さい。18才の春に人生を選べる子にしようではありませんか!