コラムvol.3 ~ 子育てコーチング よくある質問 ~

―「コーチでも怒ったりするんですか?」

「はい、怒ります(笑)。

―「あきコーチはコーチングを学んで怒らないお母さんになったんじゃないんですか?」

「怒らないお母さんであり続けることは、未熟者の私には難しく感じます(笑)。同時にいつもニコニコ笑顔のお母さん像に違和感もあります。笑ったり怒ったり、色んな感情をのびのび表現してこそ人間らしいと思うからです。ある程度、感情豊かに振舞う姿を子どもに見せるのは良いことではないでしょうか。ただコーチングを学んでから怒る頻度は減ったし、怒る時の表現方法(怒り方)は気を付けています。

―「コーチング的な怒り方があるんですか?」

「そうですね。精神的に余裕がある時は、自分が今どんな気持ちなのか、なぜそう思うに至ったのか、を子どもにわかりやすく伝えます。同時に相手に対する「否定・決めつけ」の表現は避けます。そのために“Iメッセージ”という伝え方をします。余裕のない時や自分の体調不良など、子どもに関係ない理由で爆発しそうな時は『今イライラしているから、近寄らん方が良いと思うで!』と伝えます。すると蜘蛛の子を散らしたようにピューっとお人払いが出来ます(笑)。」

―「リビングから人が居なくなるんですね(笑」

「そうです。しばらくしたら子どもたちは『終わった?』ってソロリソロリと戻ってきます(笑)。その頃にはこちらも落ち着いていますから『うん、終わったよ。ご協力ありがとう!』となります(笑)。それでもたまに理不尽な怒り方をしてしまう時もあります。その時は素直に後で謝ります。完璧な人間はいないし、失敗してもやり直せるんだという事を身をもって子どもに教えることができます。親がいつも完璧だと子どもも疲れちゃいますしね。これは言い訳でもありますが(笑)。

―「コーチングしてても怒っていいんですね。ちょっと意外でした。

「怒っても、笑っても、泣いても、何でもOKですよ。どの私も私。自分の感情に素直になります。大切なのは、“感情は選べる”という事に気づくことかなと思います。怒る自分・怒らない自分、どちらも自由に選べる中で、私は今、怒る自分を選んでいるんだ、という意識・自覚ですね。無意識にやっていたことを意識するようになると、怒ってもどこか冷静で自分を客観視できます。勢いに任せて爆発して後で罪悪感に苛まれる、ということはなくなります。

―「良い感情も悪い感情も、敢えて選んでいる自覚、ですか。」

「そうです。良い感情とか悪い感情とかの分類は、自分が勝手にレッテルを貼っているだけであり、悪い感情を持つ自分を否定する必要はない、と私は思います。
そしてそんな風に自分を観察し、認めることを続けていくと、他者をも認めやすくなっていくんです。自分に厳しい人は他人にも厳しいし、逆もまた然り、ですよね。話が逸れてきました(笑)。

話を戻しますと、子どもをすぐに怒ってしまう自分に嫌気がさしているお母さんは、まず自分自身をよく観察することから始めたらよいと思います。怒っている自分、イライラしている自分、笑っている自分、頑張っている自分をビデオで撮影し、テレビ画面で再生する感じで客観的に観察するんです。

―「自分を客観視するのですね。」

「そうです。ぜひやってみて下さい。」