今月のキーワードは、「子どもを信じる」。

この「相手を信じる」というのは、以前にお伝えした「答えは本人の中にある」とともにコーチングの基盤となる大切な考え方です。

では子育てにおいて「子どもを信じる」とはどういうことでしょう?
「子どもを信頼する」と言い換えると少しわかり易いでしょうか。

子どもを信頼している親は、彼らの声に耳を傾けようとします。彼らの挑戦を見守ろうとします。親として理解しがたい行動や選択を子どもがした場合でも、それを頭ごなしに否定したり裁いたりするのではなく、まず意見をきき、それを受け止め、話し合い、議論し、互いに理解しあう努力を惜しまないでしょう。

そんな親の信頼がしっかりと伝われば、子どもは自分が愛され大切にされていると感じ(自己重要感)、それにさらに応えよう、親の信頼に値する自分であろうとするでしょう。

ここで抑えておくべきポイントがあります。それは、親たる我々も同時に「子どもに信頼してもらえる人間である」必要があるということです。

たとえばあなたに「君のことを信頼しているよ」と言ってくれる人がいて、その人が①立派な人格者、もしくはそうなろうと努力している人である場合と、②軽率で、あてにならないだらしのない人である場合、「信頼」の意味・重みが全く違ってくるのがおわかり頂けると思います。

いかがでしょう?

「あの子を信頼する?そんなのムリ~」と思った方にお尋ねします。あなたはお子さんに自分に自信のない大人になって欲しいですか?まさかそんなことはありませんよね。わが子を信頼するのは「ムリ~」だけど、わが子に自信をもった大人になって欲しい、というのは、「私があなたを信じるのはムリだけど、あなたは自分を信じるのよ。」と言っているのと同じではないでしょうか。真珠が核を中心にして育つように、親(周囲)からの信頼を核にして子どもの自信は育まれていくのです。

3人の子育て真っ最中の私にとって、この「子どもを信じること」「信頼してもらえる自分であること」は常なるテーマです。子どもの全行動を把握できていた幼児期の「信頼」から、考えや行動が不透明になった高校生への「信頼」までを経験し、焦点は変わっても問われる根底は同じだなぁと感じています。

日々の生活の中で「子どもを信じる」が揺らぐ瞬間が時としてあるのは否めませんが(汗)、親だからこそ、他のみんなが黒と言ってもわが子が白と言うならそうか白だと思うんだね、では話をきかせてよ、と耳を傾ける最後の一人でありたいなぁと私は思っています。