目次
今月のことば
利に合えば而ち動き、利に合わざれば而ち止まる。
なにかをはじめるときは、自分が「好きか嫌いか」だけではなく、「有利か不利か」でも考えよう。
※監修 斎藤孝「こども孫子の兵法」より
公文式ってなに
私が公文で大切にしていること
公文は堅固にどこからもひび割れのしないガッチリとした基礎学力をその子の中心の柱として育てるのに、この上ない教材と思っています。そして、その基礎力は我が子の体験からもいざ!!出陣(入試、さらに人生の岐路で)となった時、応用力を養う時の大きな礎となります。
そんな公文をさせていく中で、子ども達に大切だと伝えている事があります。
課題意識をもつこと
イチローも松井も素振りを何百回いや何千回もしてきたことはよく知られていること。だからひたすら量をすることは大切、いつか質に転換するからと私たちは学びました。しかし、両者とも例えば素振りの真っ最中に、“今何を会得しようとして素振りをしているのか?”と聞くと“今は高めのカーブの打ち方”“今はストレートの打ち方をマスターすることを目指して素振りをしている“と答えられるそうです。
そうなんです。彼らはいつも課題意識を持って練習しているのです。従って、“今何の勉強した?”“算数”と答える子どもは課題意識を持っていないのです。“今何の学習した?” “約分!”“むずかしかった?”“うん、でも、21、27でも約分出来るようになった!”と意気揚々として帰る子。“今日の国語は線引き、どこから線引いたらいいか、解らなくって迷ったわ”とか、“今日の四則混合、足し算より掛け算を先にしないといけないのに、直ぐ前からしてしまうねん”という子。。
どの子もそんな意識を持って量をこなせば、必ず量から質に転換して、応用力も抜群、付いてきますし、ケアレスミスも減って学習効果も出ると思います。これぞ、公文の恐るべき力を発揮する重大なポイントと思います。
例題で解き方を推理すること
公文式は学年を越えると例題を読み解いて、先ず真似して解き、自分の力で身につけていくことを要求されます。この例題を解く時のエネルギー、これが算数、数学、国語、英語の数感覚、文感覚、類推力を養います。そして、これが将来参考書を手元に自学自習する力、さらに将来、社会に出て指示待ち人間にならない、自分で何事も解決できる、生きる力をも育てる素地を養います。
先ず、初歩段階では、例題を持ってきて解らないといいます。その時例題の解し方を説明すると、“あーそうか”と言いながら解いていきます。教材が上がって例題に触れるチャンスが多くなる程“こんな解き方で良いの?”と自力で例題を解き解し、先ず一題やって、持ってきます。その時は恐らくドキドキしながら持って来るのでしょう。“そうや、凄い、遂に発見した!”合っている時は、つい私も大声で褒めてしまいます。違っている時は、再度ヒントを与えます。どうしても解らない時はトコトン教えます。
本来、教えることは子どもに依頼心の芽を育てることもあり、自分で気づく力、自分でこうかなーと考える力の芽を摘む危険を含んでいます。この所が指導者として大変配慮するところ、指導力が要求されるのです。いつも、自分で気づく力、自分でこうかなーと考える力の芽を公文で養いたいと思っています。そうすることが大きく飛躍させる力の源となると考えています。
公文と僕
大阪市立大学医学部医学科 Y.U
こんにちは。公文式で英数国を学習し、数学の最終教材を終えた、Y.Uです。1才頃から、高校生になる
までの公文生活を思い返し、印象に残っている事を伝えようと思います。
私は物心ついた頃から公文をしていたように思います。平日は7時に起きて幼稚園に行くまでに、少しでもプリントを薦め、帰宅してからはその日のノルマのプリントを必死にこなし、気がつけば寝る時間になるという生活でした。時には友人との約束を断る事さえありました。休日でもノルマをこなすまでは、遊べませんでした。リビングで公文をしている時に、家のすぐ隣にある公園で遊ぶ友人の姿を見て、何で自分だけ公文をしないといけないのだ、と思った事もありました。兄も、妹もしていたので、自分だけ弱音を吐くことも出来ず、まして、母が最終教材終了者なので、”やめる“という選択肢は、有りませんでした。
そんな日々の中で、小学生時代は公文学習をしていた優位性は殆んどありませんでした。唯、毎週の図書館通い、山ほどの本を借りて次週返すという、ルーテインに従った毎日でした。
大学受験を終えた今思い返してみても、当時よく公文から逃げ出さなかったなと思います。この生活は中学に入っても続き、中学に入ってからは、日曜日に集中的にプリントをこなしていきました。その結果、高校1年の夏の最終教材の試験に合格することができ、ようやく、公文から解放されました。
その時は解放感で一杯でしたが、後々受験勉強を進めるうえで、公文を修了したことは学力の面だけでなく、精神面でも大きな支えに成りました。大学入試を突破した今だから思えることですが、公文は私の中で、非常に意味のあるものだったと思っています。
一つ目は学習した英数国に一度も苦手意識を感じた事が無かったし、基礎、基本ができているので、もし点数が悪くても演習問題をこなす数が少なかったと、反省して次回は頑張れました。私の大学受験の数学の対策は、周囲の友人が分からない問題を、解いてアドバイスするというものでした。大学受験には一日10時間~11時間の勉強時間をこなさないといけません。そしてその8割を数学に使っているといわれています。そういう中で得意科目を持っている事は有利でした。
二つ目は精神面です。なんで自分だけ、と思いつつ、目の前のプリントに向き合った日の辛さが忍耐力を育むことに繋がったと思います。
今、公文を学習している後輩のみなさんへ言いたいことは、公文の価値が分かるのは当分先になると思います。しかし、だからといって、目の前のプリントから逃げてはいけません。周りの誘惑に負けないで、黙々と、公文を進めていけば、あの時頑張って良かったと思える日が、必ず来ます。だから、努力が報われる日が、来るのを信じて頑張って下さい。
末筆ながら、お父さん、お母さん。公文の日々は、大変かと思います。私が最終まで学習して、一番喜んだのは、ほかでもない、母です。公文をさせる毎日は大変だっただろうことは、させられている子ども以上に大変だったんだなあ~と、その喜び方で感じました。子どもは親の、何気ない一言で、がんばれるのです。
今、学習している日々で調子が悪い日もあります。決して否定しないで信じて見守って下さい。
英語暗唱大会での留学体験報告
英語暗唱大会出席有難うございました。 約80人の参加でした。
当日、ブレークタイムに留学体験記を公文OGのH.Kさんに報告してもらいました。
- 何年間どこの国へ留学しましたか?
- 1年間アメリカオレゴン州オレゴン大学に留学しました。
- 何のために留学したのですか?
- ”英語力向上”のため、これ一つです。
- 留学までの準備はどんな事をしていましたか?
- とにかく留学先の大学の講義がわからないと話にならないのでTOFLEを3週間ごとに受け英語力向上に努めました。
- 留学先で困ったことは何ですか?
- 先ず友人を作ること、しかし英語が出来ないと友人も作れないので勇気がいりました。
- 大学の授業が初めはさっぱりわからないので毎日予習におわれました。
- 英語のディベートがあった時、自分の意見、考えをしっかりと伝えられない時が多々あり、自分の考えをしっかり持つ事が大切だと痛感しました。
- 留学したことで、自分の中で成長や変化はありましたか?
- とにかく視野が広まったこと、様々な価値観の人がいるので、その人たちを受け入れる器の大きさが育ちました。
- 帰国し、英語力はアップしましたか?
- 格段にアップしました。就職のためのテストはTOEICですがかなり点が取れ通訳免許第1次英語テスト、免除レベルまでいきました。
- 英語力アップのための必要条件は何だと思いますか?
- 一つめは自分から意欲的に留学したいと思うこと、そうなると留学の処手続きは全て自分ですることになりますから、自然と英語力向上のための意欲も出てきます。親や周囲の人に勧められたからという留学の仕方は全てに消極的となり吸収力も落ち、英語力向上にはむしろマイナスとなると思います。
二つめはやはり日本語で考えて英語に翻訳して話す・・・というスタイルなので、母国語力を高めておくことがとても大切だと思います。私は本を読む(読書)は誰にも負けない位好きなので母国語力はあると思いますし、それがあったので英語力も高められたのだと思います。
- 帰国後周囲が日本語しか目にしない環境の中で英語力保持のため今どうしていますか?
- 英字新聞を読む(リーディング力)
英語の映画など見て楽しむ(リスニング力)
スカイプで外国人(フィリピン)と1日25分話す。(スピーキング力)
音読(ex大統領演説etc)15分/日(これは必須。)
聞こえた英語を英文に起こす。(ディクテーション)
皆さんへのメッセージ
小さい時から英語の出来る子どもに育てたいというのが、母の夢のようでした。
しかし、英語の基本は、母国語力に尽きると判断し、読み聞かせに力を入れたといいます。多い時は1日40冊も読んで、くれました。声が枯れたといいます。そのお蔭で、私の本好きは半端では、ありません。大学受験の得点源は現代文でした。年長で中学教材をしていたのを覚えています。又当然公文の英語教材もことごとく暗唱させられました。英語のビデオも日常的に見ていました。英会話塾には一切行きませんでした。中高で英語の点が悪いと、英語がキライになると思ったので、英語学習に時間を掛けました。
“留学”というワードが出てきたのは、梅田の“留学フェアー”に、行った時でした。準備書類など全て自分でしました。自分の意思で準備をするくらいの積極性が無いと現地に行っての英語力習得に影響すると思ったからです。英語はコツコツ学習すれば、必ず力の付く教科です。皆さんもいつか、英語を自由に操って仕事をしている自分の姿をイメージして、頑張って下さい。
うれしかったこと
先日、教室にO.Mさんが突然訪問してくれました。
司法試験合格の報告のための来日でした。彼女は幼長から約10年、教室に通った生徒ですが、開口一番”私は公文に来ていなかったら合格できなかった”・・・と。それは公文によって育てられた非認知能力に有るというのです。
司法試験は勝手の難関から少し精度が変わり、合格率は約30%の世界になったものの大学卒業後、法学院大学 or 予備テストを受け、チャンスは5回とのこと。2買い目のチャレンジに成功した彼女、1回目に落ちた時の先行の不安ははてしなく、その時、学習済みプリントの厚さ、かつてしんどい思いを経験した公文での3学年、4学年先への挑戦を思い出し、その時育てられた、自分の気持ちをコントロールする力、粘り強く、物事に取り組む能力、次の目標へと自分をポジティブに挑戦する力などが有ったので乗り越えられたと話してくれました。感動しました。私は彼女を抱きしめました。そして、かつて頑張っていた背中を思い出しました。
そうなんです、今学習している子は目に見える進度を手に入れる以上に、目に見えない非認知能力を身に付けているのです。枚数の伸びない日、ダラダラした日、いろいろ有りますがそんな日も含めて学んでいるうちに、前述の力が育つのです。
O.Mさんのお母さんは、我が子を信じる難しさはあるものの、片目を今、片目を将来に目を向けて1日、一歩ずつ前進することを心に決めて見守られたことでしょう。
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