目次
2.公文式ってなに 〜その子中心&自学自習&ちょうどの学習〜
今月のことば
すてきな人に出会えるように、自分も「すてきな人」になる。
ただあこがれているだけでは、すてきな人には近づけない。すてきな人と胸を張ってつきあえるだけの自分をつくっていこう。
※監修 高濱正伸「ルールブック よのなか」より
公文式ってなに
その子中心&自学自習&ちょうどの学習
「その子中心」式:集団で「右へならえ」ではなく、その子が中心
- 学校では、集団で、一斉に同じ進み方をします。
- 公文式では、一人ひとりに合わせて、それぞれが異なった進み方をします。
現在の学力を的確に診断することによって、学年より前に遡っての復習や学年より先の予習といった具合に、その子の学力に合わせた学習を行います。大切なのは、その子が何年生かではなく、「今の学力の状態」がどうかなのです。
「自学自習」式:「受身」ではなく、「自分から学習」
- 学校では、先生の授業を聞いて、板書された内容を書き写します。
- 公文式では、先生の授業はなく、自分自身で問題を解きます。
- 「受身」ではなく「自分から」学習することが大切です。公文の先生は、やる気や集中力が出せるよう、一人ひとりに必要な条件を整えます。
「ちょうどの学習」式:学年ではなく、その子の学力に合わせた学習
- 学校では、学年に合わせ、全員が同じ教科書を一斉学習。
- 公文式では、学年にとらわれず、自分の学力に合わせた学習を行います。
- これを「ちょうどの学習」と呼んでいます。「ちょうどの学習」によって100点が取れる状態をつくります。何をさておき、自信とやる気が肝心です。スタート時は、学年より前に遡った、復習となるケースがほとんど。休まず学習をきちんと継続していけば、学年に追いつき、さらには学年より上を学習することになります。
孫育て進行形
失敗をバネにする!!
この絵は何でしょう、これは“しかめ図”といって徳川家康が生涯で負けた3度の戦いのうち、初回で負けた時の顔写真といわれています。武田信玄に三方ケ原で負けた家康は自分の顔を絵師に書かせ後々の戦いの折、いつも懐から、この絵をだして見つめ、次の戦いに挑んだと言われています。それが本当かどうかは別として、私はこの絵を見ている家康をイメージして“失敗・反省・挑戦”を考えたものです。
孫が入試で失敗した折に、これを使ってみようと思いました。第1志望校に落ち、第2志望校に行く事を余儀なくされた時、その労をねぎらうために豊臣秀吉で有名な有馬温泉で自分に縁の有った学校への入学と 次なる大学へ向けた出発を決意するために上記の吹き出し語を書かせるのを常としました。
今の残念さを忘れない事、そして失敗をいつまでも引きずらない事、次なる1歩へのエネルギーを決意するためのものです。これを入試時に書いた孫達は後年、18歳で自分の行きたい大学へと進学していきました。私が書かせたこの吹き出しを今も覚えているか確認はしていませんが、きっと次なる一歩への気持ちとなっただろうなーと確信しています。一つの失敗(特に入試)を引きずるのはいけません。
人生、失敗は沢山あります。その失敗から何かを学ぶポジテイブな人に成って欲しいのです。
教室往来
自らの力を全て出し切るには“段取り力”と“集中力”が勝負
東大生にどんな力が有ったから、東大に合格したのか?と聞くと殆どの人が「段取り力と集中力」と答えたとか!!
では、その力はいつ育つのでしょうか、日々教室をしていて私はいつも、この2つの力の育成に悩んできましたし、今も悩んでいます。確かに3教科している子は2教科、1教科を学習している子より段取り力が有ります。
どの教科から学習していったら、いいか、この教科から学習すると時間が掛かるし、自分にとってすぐつまずいてやる気を無くす。だから〇〇教科から学習する!そう思って取り組んでいるのがよく分かります。ですから3教科学習者は立体的に能力が高まっているように思います。
しかし、集中力は?というと、ちょっと難しい壁にぶつかると自分を自分で制することができなくなってダラダラしてしまう。そんな悩みも浮き上がってくるのも事実です。
そこで 今、私が取り組んでいる事、キッチンタイマーをとかくいつもだらだらして在室時間の長いA君に見せて“今は〇〇時、あなたは〇〇時迄に学習しようね!その為に先生が90分あなたにプレゼントするから、どうしたら能率よく集中して出来るか考えて学習してみて!タイマーを押すよ。それではヨーイドン”と言ってタイマーを稼働させるといつもノロノロと席を決めていたA君、さっさと席に着き、のんびりと学習に入るのに時間のかかっていたのに、直ぐ集中して学習に取りかかる、そんな風景が見え始めたのです。
“A君、90分たったよ”とタイマーの音を聞いて
“どこまでできた?”と私が聞く
“〇〇は済んだけれど、〇〇は 後2枚と間違い直しがある”と答えるA君
“そうか それじゃ あと何分欲しい?”と私
“20分かな?”とA君
“じゃあ20分プレゼントしょう、頑張って”と私
そう声を掛けると自席に戻ってまた取り組み始める。以前のA君とは大違い!
一つの問題にどの位 時間がかかるのかを予想できるのも、段取り力の育成になるはず!
その後、15分34秒で仕上がったA君いつも入室から退室まで3~4時間かかっていたA君は2時間ほどで帰って行きました。
この方法がこれからずっと効果が有るかわかりませんが今教室で、そして私の中でブームなのです。
“段取り力と集中力”これはとても大切だということはわかっているけれどどのようにして育てたらいいのか、本当に難しい。やはり思いついた事を、やってみるしかないのです。
そもそも、考えてみるに集中力といってもその、密度の濃さが大切だと思います。
それを身に付けるには、単位時間にどれだけ学習したかという質の高さです。
“この00枚を、何分でしたか時間を計るよ”と言うと子どもは疲れます。
“00の時間に何をどれだけ学習したか教えて!”と言うと、“ゲームみたい、テストしているみたい”とか言って挑戦している気分になるようです。
さあ!この先どう展開し、どう変化をしていくか楽しみです。
小学2年生以上の所謂“破”の時代に入った子に効果的です。子どもとのつきあいは、いつも“楽しい”がキーワードです。お父さんお母さんいつも“段取り力”と“集中力”を念頭に工夫していきましょう。そして“こんなのはどうでしょう”と言うのが有りましたら、教えて下さい。
うれしかったこと
小4で中学課定テストに挑戦、無事2教科同時合格したRちゃん、その合格の喜びを手に、お母様がお手紙を下さいました。
(中略)
私ども家族にとって、今回の試験は思いがけず大きなチャンスを頂いたと思っております。
それは、ここにゴールを設定したこともなければ、9歳で2科目受験できるなどと考えたことすらなかったからです。今日に至るまで、毎日プリントとコツコツとしっかり向かい合い、つらい、苦しい感情も、理解出た時にしか実感できない歓喜も、すべてを受け止め自分の中に吸収してきた娘の頑張り以外のなにものでもないと思っています。
試験1週間前から、ストレスや疲れで娘が心配な様子になった時に、すぐに清水先生へご相談しに伺いました。その際「お母さんも見ているのがつらいよね」との先生の言葉に胸がいっぱいになりました。
私に出来る事といえば、毎日食べたいものを聞いて、食べることが大好きな娘に好きな料理を作ってあげることくらいしかなく、「親とはこれほどまでに無力なものなのか」と実感したのは今回が初めてだったからです。
今回の挑戦を通して、娘も私も何物にも代えがたい貴重な経験をさせていただきました。
全て、清水先生のおかげです。本当にありがとうございました。娘は今月15日に10歳になります。きっとこれまでの10年よりも、もっと多くのことに挑戦できる人に成長してくれるような気がして楽しみにしています。
今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い致します。
大変ありがとうございました。