目次
今月のことば
大学を出てからも本を読む人に
公文式の真価は「自学自習」の態度と習慣を身につけるという点にあるのです。
子どもたちにみずから学ぶ喜び、自分の力で進んでいける喜びを体験させて、実社会に出てもみずから学びながら成長し、物事に積極的に取り組んでいける人間に育ってほしいというのが公文式の願いです。
創始者の言葉
本好きにするには、まず読み聞かせから
本好き、読書好きの子どもを育てるには読み聞かせから始めましょう。
絵本や童話を読んでもらうたびに、その本の内容をすでに知り、ほとんど暗記していても、子どもたちは何回でも「読んで」とせがみます。そうして、初めて読んでもらう本でも、次はどうなるのかなと、先の展開を予想する楽しみを知るようになります。そして読書が好きになった子どもは自分で考える姿勢も身につけていきます。
本の中には、豊かな言葉とともに、子どもたちが生きていくために必要な知識や情報がたくさんつまっています。読書する力が身につけば、その本の内容を手がかりとしながら自ら考え、物事の本質を洞察する力、周囲の状況を考慮しながら自分の進むべき道を判断する能力が養われます。
そうなれば先々の勉強に役立つのはもちろんのことですが、それ以上に人間性が豊かになり、ゆるぎない人生観のもと、社会に役立つ人間として、充実した人生を送ることも可能になります。そのためにこそ、少しでも早い時期から本に親しんでほしい、と公文式は考えています。
文科省が出す学習指導要領は「思考力・判断力・表現力」を柱の一つとしています。これらの力は読解力と深く結びついています。つまり、高い読解力がないと、思考力、判断力、表現力は養えないということです。
読みの力をつけていくためには読書が一番!小さい頃からたくさんの読み聞かせをしてもらった子どもたちは、間違いなく読書好きです。KUMONの国語教材を通して、「お話の続きがよみたい!」と言ってくる子どもたちでいっぱいにしたいと思います。
本の楽しみ方
本は勉強のために読むのではありません。楽しみのために読むのです!
今月のことば”大学を出てからも本を読む人に”とは、公文公会長がいつも口にしていた言葉です。会長の友人で”もうこの世に用はない。生きるすべもない”と自分を追い込んでいた人が、ふと本屋に足をのばして、書棚からの一冊の本に救われたという話を例として、私に話してくれました。”だからどうしたらいいんだろうと思った時に、本を手に取ると視点が変わって考え直すものだ人は”という話を、私はいつまでも忘れないで、今日まできました。
国語の点が悪いから、もっと本を読もうよとか、本を読まないからこんな点なんだよ、とかいう人がいますが、そんな点のために本を読むなんて何と無味乾燥でしょうか。私はなぜか心に迷いがあると本屋さんに行って本を眺めている自分がいます。
思い出せば小さい時、世界名作全集を「そんな暗い所で読んでいると、目が悪くなる!」と母から叱られたのを思いだします。小公女、若草物語、アンネの日記。女の子が主人公の内容ばかりでしたが、そんな物語の中で、元気に頑張る主人公の姿に心動かされたものです。
また、子育て時代は、本の中にその悩みの解決をみいだそうと、たくさんたくさん読んだものです。私の子育ては失敗の連続でした。今、教室の子どもたちに帰り途に読ませている”中村天風”はまさにそこから手に入れた珠玉の言葉なのです。
そして、教室に掲げている”立腰”の額。あれは私が子育てに悩み続けた日々の本の中にあった”子育てに大切なもの。これさえ守らせていけば子どもは立派に育つ!
- 靴をそろえる
- 椅子を入れる
- ハイと返事をする
- 挨拶をする
- 立腰
思春期の息子を相手に通知表・テストの点は無視して、この5つを中心に、これだけを守れる子にしようと自分に言い聞かせた本から手に入れたものです。
今私は息子の家に行ってトイレに並んだ本(トイレに書棚があって本が置いてあるのです)がいつも固定せず、変化していることで”あっ、我が子は本を読む子になっている。よかったよかった!”と思っている自分がいます。
本は勉強のために読むのではありません。楽しみのために読むのです。そのレベルは気にしなくてもいいではありませんか。本を手にとってさえくれれば、年相応のレベルでもそれより低いレベルでも、100冊読めばワンランク上の本にいきますよ、と私は父母懇談会の時、そう話しています。読み聞かせの極意は、図書館などで「子どもが選んだ本を絶対に否定しない!」です。親が読んで欲しいと思う本は、親が読み聞かせてやったらいいのです。
子どもには「読みたい本を楽しく読ませてあげましょう。
今の時代、6割の人が本を読まなくなったとか・・・悲しいことです。読書が趣味とまではいかなくても、落ち込んだ自分を救ってくれるのはきっと先人の書いた本の中に答えはあると思います。その解決はゲームにもスマホにもありません。そしてもし我が子が本をてにしないのなら、本を読んでいる親の姿を見せると、きっと子どもも読みだすでしょう。
読み聞かせは小4くらいまで・・・と言われています。大人になっても本を手にする子。そんな子にしようではありませんか。最近過去に読んだ本を再読しています。今さらのように胸に響いた一例です。
- 字の汚い子はどうしたら?
- 物を大切にすることが欠如している。物を大切にすることを唱えなさい。
- 小さい時から塾に行っているのになぜ点があがらないの?
- 小学生時代に大切なことは、計算力と語彙力の2つだけとわかっていますか?
- 叱り方のこつ
- 兄弟の前で一人を叱らない。また叱る時は親は上からではなくしゃがんで目線を合わせてその子の目を見て叱りなさい。
- ほめ方のこつ
- 兄弟みんなのいるところで褒めなさい。大げさに!
小5小6の会より
今回の宿題作文のお題は「十代の生き方とは」。その中で何名かの作文をご紹介します。
僕は、今するべきことをしっかりして、大人になるための勉強をしておくことが大切だと思います。
例えば、将来スーパーの店員になりたいとします。そのためには、大切にしたい「人との接し方」や「どうすればできるか」などを十代のうちにできるようになればいいと思います。
そして、学校で将来になりたい職業に関係のある勉強を一がんばることが大切だと思います。これからは、十代のうちに大人のための勉強をすることを大切にしたいです。
私は今やりたいこと、やるべきことを一生懸命やりきることが大切だと思う。
私はやる前から面倒くさそうとか、どうせ無理などと言い、たくさんのことをあきらめてきた。でも未来なんて誰にも分らないのだから、あれこれ言い訳をせずにやってみればよかったと思う。不安になるのは結果を気にするからだ。結果なんてどうでもいいと腹をくくれば、目の前のことに集中できると思う。
私にとって公文もそうだ。やる前から難しそうとか面倒くさそうなどと思ってしまう。でもあれこれ考えず手を動かしてみることだ。目の前のプリントだけに集中すればいつのまにか終わっていることもある。
それでも時には、こんな難しいことをやって本当に意味があるのだろうかと思う。でも毎日1枚1枚を苦労してやっとできたことが今の私をつくってくれた。そして未来の私をつくっていくと思う。
このように、今やりたいこと、やるべきことを精一杯やあることが今をいきることだと思う。失敗したり、出来なかった時は、その時の自分がどうすればいいか考えればいい。今を一生懸命生きていれば、何でも乗り越えられる力がつくはずだと私は思う。
世の中には今を大切にしている人と未来を大切にしている人と、今も未来も大切にしている人がいます。私は今も未来も大切にしたいと思っています。
今を大切にすることはいい事ですが、先の事を考えずに今を楽しむと未来は大変になると思います。しかし未来の事ばかり大切にすると今を楽しめません。なので私は今も未来も大切にしたいです。そうすれば今は友達とたくさん遊びつつ未来のためにも勉強をがんばればいいと思います。
また私は十代は大学生まであり、とても長いと思います。小学生は勉強もがんばりつつ友達とたくさん遊べばいいと考えます。中学生は小学生よりも勉強がむずかしくなるので小学生より勉強をがんばったほうがいいかもしれません。でも、友達と遊ぶ時間も使ったほうがいいと思います。そして、高校生では将来の夢についてたくさん勉強するのが大切だと思います。そして大学生は将来したい事や、入りたい会社に入るための勉強をすればいいと思います。でも友達と遊んだりゆっくりする時間も大切だと私は思います。
私は十代の間どうするかという事を書いたけど、それはその時々の自分の年れいにあわせてその時一番自分が大切だと思う事をすればいいと思います。
所感
私はずいぶん前から、公立中学への進学を決めた生徒に対して”小5小6の会”というのをしています。これは、私立への中学受験をする子は一生懸命受験の為に日々学習しているのに、我が子は公立へいくといえども、こんなにのんびりしていていいのか?という保護者の心配を受けての立ち上げたものです。
そこでさて、何をしようと考えた時、”社理の予習”そして将来絶対に要求されるであろう”自分の考えをまとめる力(=作文力)に焦点をあてることにしました。勉強は予習してあれば絶対に興味をもって取り組めるし、吸収もよくなる、ひいては得意科目になる。公文で数国英は学習してあるので、社理をしようとの考えです。
この会では、小5小6の社理の問題集の使い方、また毎日の計画の立て方をはじめとする、適した学習法を主軸にしてきました。そして特にこの1年は、生活全体を振り返るマンダラチャートを作成し、その実現に向けての行動、反省も加えました。
また、作文としては左頁にかかげたように、東京の国立大学付属中学の入試課題をもとに、各ご家庭で作文の土台となる情報、考え方などを話し合ったあと、子ども本人に題目に合った作文を書かせ、小5小6の会(月1回土曜日実施)で発表するという形式をとっています。どの子もはじめはとまどいうまくいきませんが、2年もすると大人もびっくりするくらいの内容を書いてきます。こうして中学受験組がひたすら受験技術を磨いている間に、それ以上の力の源を育てていっているのです。
この力は中学進学後も大きな力となっているようで、小5小6の会を卒業した中高生は、近年は中間・期末テストで反省ノートを書き、各自自分の勉強法確率の礎となっているようです。また自分の目標とする点に近づこうと努力している姿を見るにつけ、各自の小5小6の時の頑張りが先へつながっているなあ〜と私は自己満足に浸る時があります。この活動は当教室独自の私の思い込みからやっている事ですが、ずっと続けていきたいなあ~と思っています。
小5小6から思春期にむけて、親は子どもを自立させていかねばなりません。親の言うことなど全く聞こうとしないこの時代、自立へのスイッチになれば嬉しいなあ~と考えている今日この頃です。