目次

1.今月のことば

2.公文式ってなに 〜公文公先生の教え「我が子に学力という財産を残す」〜

3.孫育て進行形 〜文具は「きちんと」揃っていますか〜

4.公文と私

5.教室往来

6.公文式をうまく使って、”18才で人生を幅広く選べる人に”


今月のことば

すぐに「きらい」「苦手」と言って自分の世界をせばめない。

勉強だって、スポーツだって、人づきあいだって、本気でやれば、おもしろさが見つかるかもしれない。「きらい」「苦手」と言って逃げてしまうと、おもしろさを知るチャンスを逃してしまうよ。

※監修 高濱正伸「ルールブック よのなか」より

 

公文式ってなに

公文公先生の教え「我が子に学力という財産を残す」

「我が子に学力という財産を残してやりたい」という、高校の数学教師、又一人の父親の立場で始められた家庭学習について公文公先生が、常々言っておられたことは・・・

  1. 中学、高校と先々で学力を発揮するようになる学習法が大切である。
  2. ひとり一人の学力に応じた「ちょうど」の質、量の学習をすること。
  3. 数学は計算力、国語・英語は読書力、読解力養成に最も力を入れること。
  4. 家庭学習においては、学校のように一斉授業の進度とは関係なく、ひとり一人必要なだけの反復練習をしながら自学自習で進めていく。
  5. 受験勉強は長くとも1年間、それまでに学年を越えて高いレベルの計算力、読解力、自習力を磨いておくことが結局受験にも有利である。公文学習は直接受験を目的とはしないが、大学受験に於いては特別な効果を発揮する。
  6. 現在学力不振ならラクラク出来るところから始め「出来るからする」→「するから出来る」→「自信がつく」→「意欲がふくらむ」つまり「悪いのは子どもではない」のであって、親や指導者(教師)がやる気を大きく育てる好環境をつくってやることである。
  7. 親は子どもを「認める」、「ほめる」、「待つ」、「あせらない」「腹をたてない」、「関心のあるものを選ぶ」。

私(清水)はこの家庭学習法、特に以下に心底納得できました。

  1. 高校で格段と基礎学力の成果を発揮するスモールステップ教材の存在
  2. 個人別、学力別
  3. 自学自習力の養成

長期展望を持ったこの学習法を高校まで続けられたらどんなにいいだろう。私が生徒として、この公文式学習法に出会っていたら・・・そこで、我が子に徹底的にさせることによってその絶大なる効果を体験しました。そこで、多くの子ども達にも公文式学習をさせたいと願ったものです。
私が常々思うことを具体化すると・・・

  • どんなに遅くとも小4には、“英語学習”を始めておく方が良い。
  • 年中(幼児)には、公文を始めておいた方が小学校へ行って楽。(読み書き計算が出来ていれば45分間の授業にも集中できる)
  • 受験テクニックをつけるのは、中学受験は小5から2年間、高校受験は中3の1年間のみに集中して取り組めば十分。それまでに基礎学力・自習力養成が大切。基礎力がしっかりしていれば入試レベルに高めるのにそんなに時間を要しない。
  • 公立高校志望なら小6でI教材(中3教材)終了者は中学生で好成績を・・・
    中2でL教材(高1教材)終了し、高校基礎課程テストに合格した子は高校で好成績を・・・(必ず達成した教材、科目に対する自信を持った子になります。)

 

孫育て進行形

文具は「きちんと」揃っていますか

教室で学習している子を見ていると、ある共通の事が見えてきます。
それは字の乱雑な子、途中式を飛ばして「きちんとした式」を書けない子・・・は殆ど“先生消しゴム貸して”、“先生鉛筆削り貸して”と 毎学習日に連発します。

逆に「きちんとしたプリント」を作れる子はどの子も筆箱の中が「きちんと」整理されています。「きちんと」削られた鉛筆、とてもよく消える上等の消しゴム。

賢くなる条件の一つに「きちんとする」が、挙げられます。まさに、それは当たっていると思います。
有る本によると“中学受験をするか、受験しないかは小6の夏までに「きちんと出来る子」になっていないなら、いい結果が出ないからやめなさい”などと厳しい事が書いてあるものもあります。身の回りを「きちんとする」という事が学習にまで影響するというのは本当だなあと、しみじみ思います。

私には、苦い経験が有ります。

特に、末子には、公文をすることを最優先していたので、公文学習後、机の上が乱雑で本人のみが消えた状態の時も、“ちゃんと片付けないと・・・”と、言いながら、母である私が片付けていたという動画が頭の中に映し出される日々でした。

まさに筆箱に「きちんと」鉛筆や消しゴムをおさめ、プリントを番号順に並べる、そして机の上の消しゴムのかすをゴミ箱に入れ、椅子を入れるという行動までが学習の筈なのに、公文のプリントをしたというだけで、母もほっとし、子どもも学習終わりで満足していたのです。

その事実に気が付いたのは、ケアレスミスが続出の事実を見た時でした。そしてそれを是正するのに、大変なエネルギーを使ったものです。その時解いていた、プリントは今でもありますが、字は乱れ、位は揃わず本当に、ミスだらけのプリントです。

ですから、今孫が公文をしているところを見る時はいつも呪文のように、
鉛筆は揃ってる?消しゴムは、消しやすいもの?から始まり、
さあ終わった、プリントはトントン揃えて!
筆箱に道具をいれた?椅子を入れて!
と、手順を口うるさく唱えている私が居ます。

こんな毎日の積み重ねがケアレスミスをはじめ、賢い子の条件「きちんとする」に繋がっていく事を、皆さんも意識して我が子の学習姿勢の周辺を見ていきませんか!

公文と私

神戸女学院中学2年 N.U

こんにちは、数学最終教材を修了したN.Uです。

私は約十年余り公文を中心とした生活をしてきました。いつから?と聞かれても思い出せないのです。ただ、漢字カード、俳句カードを始めとして、毎日読み聞かせをしてもらった、楽しい日々をうっすらと覚えています。母によると鉛筆が持てるようになると、直ぐ公文プリントを始めたそうです。“やりたくない”と拒否した日も有ったそうですが、そこは学習習慣確立の為 一枚でもやらされました。そのお蔭か幼稚園に行く前に、毎朝大人の新聞に目を通すほど、文字の好きな子どもでした。図書館には毎週のように行ったのを覚えています。幼稚園時代から3教科をしていたため、学習時間も取られ、家の前が公園だったこともあり、友人の遊んでいる姿を見て、“なぜ私は?”と思う日も有りました。友人との約束が公文の学習の為消えてしまう事もよく有りました。そんな日々の支えは、父母の“将来絶対役に立つから!”と言う言葉でした。

しかし、小学校時代は、公文をやっていて良かったと思える日はあまりなく、手ごたえを感じることができない事が多く、不安を覚えていました。小4の2月から中学受験を目指して2年間、塾に行きました。 公文の進度は 数学はN、国語はL、英語はIだったように覚えています。英語は英検3級を取っていましたが、忘れることを防ぐため、英語のみ出来るだけ続け、塾で2年間頑張りました。

塾では公文の国語の進度をあげていたのと、沢山本を読むための図書館通いが効き目を出しました。何はともあれ、塾に切り替えて、公文から解放された事もあってほっとしましたが、偏差値で色々評価される日々は“公文の方が良かった”と思う日も、たびたび有りました。入試が終わってすぐ、公文を再開しました。中学校に入学してからも 公文中心の生活をしようと思いましたが、忙しくてなかなか時間が取れず、長期休暇、土日を中心とした公文の日々に成りました。中学では少しずつ先取りしてきた効果が出てきました。

一般に“公文は計算だけ”と言いますが今までずっと続けてきたため自分に得意科目意識が生まれてくること、又苦手な他の分野を集中的に勉強する時間が持てる事、これが大きいです。例えば、中学から始まる定期試験では、一度に多くの科目の試験が行われるため、勉強に追われます。しかし、皆が多くの時間を数学に使っている時に、不安な暗記科目に時間を当てられるのです。

又、数学、英語については、授業を聞いているうちに過去の記憶がサポートしてくれるので定着も早く困っている友人にアドバイスもできます。図形も計算で解くことが多いので計算力はばかにできません。このように公文を学習する事は大変ですし、くじけそうになる事が、しばしばありますが、中高に進むにつれて、力を発揮します。そして、何よりコツコツやりさえすれば必ず高い山に登れるはずと考えられるようになります。いま、私は公文で付けた基礎基盤の上に演習問題をたくさんして夢に向かっています。

今、公文で 悩んだり、スランプに落ちている人も、今までの自分の努力を信じて一日一歩でも前進しましょう。お父さん お母さん頑張っている子どもを見守って下さい。

感動した話

スタッフからの報告・・・図書室と幼児さん

幼児のN君、プリントの取り組み方や姿勢がよくなり成長を感じる幼児さんの一人ですが、ママのお迎えまで図書室で絵本を読んで過ごすのが習慣づいています。夏頃「もこもこ」という谷川俊太郎さんのユニークな絵本を読んでいたN君、ガラス越しに外からその様子を見ていたママが「もっと物語生のある本を読んでくれたらいいんですけど・・・」と謙遜されていました。

また、この間台風の後本棚を片付けている際、N君に「台風の絵本(科学の友)あるよ」と見せたら「読みたい!」と興味を示してくれました。他に誰だったか幼児の女の子が分厚い「動物図鑑」を持ってきて「これ借りていい?」意外なチョイスに「すごいねー、動物博士になれるよ!」と話が弾みました。

図書室の整理は「元の場所に片付けてー」と叫びたくなりますが、そんな作業が報われる一コマでもありました。

懇談したお母さまからの手紙

拝啓

先日は、お忙しい中、貴重なお話とお手紙をいただき有り難うございました。
清水先生からご教示いただく前は不安で悩んでいましたが、公文を始めて4年子供たちの反応と結果が、先生から伺った通りになってきており、迷いなく進めていけることにとても幸せです。

近くで素晴らしい先生に恵まれ、私たちはとても幸せです。
このまま、子供たちの頑張りを信じて併走していく所存でございます。
お忙しい毎日とは存じますが、どうかご自愛くださいますようお願い申し上げます。
今年も素晴らしい年でありますように。

かしこ

公文式をうまく使って、”18才で人生を幅広く選べる人に”

私立中学合格おめでとう!!

小学4年、3学期から入試準備に入り、約2年休会した子ども達が、朗報を持って教室に来てくれました。そして子ども達は公文で次なるステップに進むべく再学習を始めました。2年間の受験生活ご苦労様でした。

合格中学校(50音順):追手門学院中、関西大倉中、関西大附中、金蘭千里中、清風中、千里国際インターナショナル中、高槻中、同志社女子、東大寺学園中、明星中、被昇天中

これから先、高校入試、大学入試と続きます。
ふと思います。報告に来る親、どの親とも子どもの将来について 何でも話せる仲になっているのです。 公文の毎日はつらい。全く進まないそんな時突然「①先生少し休みます」または「②先生どうしたらいいでしょう?」という2通りの御父母がいます。

子どもの大志を望むなら①なんてありません。この度合格をうれしい顔して報告してくれる人は全て②です。公文させていると親は疲れます。そして親の疲れが①を選んでしまいたいのです。しかし中途半端な所で休む、辞めるという選択肢を持つことでどんな成果がありますか?“つらいなら辞めればいい”の絵図のみです。これは社会に出て大きな負の力となります。

公文をしてこれだけのことを手に入れた。しかし次なる目的の為に得点力を手に入れるために、次への歩を進める。これなら大きな力となります。

子どもに公文で敗北感を持たせないでください。出会ったらいつか別れるのです。辛くなったらどうぞ、相談に来て下さい。一緒に考えましょう。そんな思いが脳裡をかすめる中で、入試報告と対面している私です。